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Wi-Fi中継器とは?Wi-Fiをつながりやすくする仕組みと効果を解説

スマホやタブレットなどモバイル機器が普及して、自宅のいたるところでインターネットを使う機会が増えました。
家じゅうで快適にWi-Fi(ワイファイ)を使いたいのに、「つながりにくい場所」があって困っている人も多いのではないでしょうか。

そんなとき、Wi-Fi電波を離れた場所にも文字通り「中継」してくれる、Wi-Fi中継器があると便利です。

そこで今回は、

  • Wi-Fi中継器とはどんなものなのか
  • 必要となるケースやメリット・デメリット
  • おすすめの選び方

についてくわしく紹介します。
記事を読めば、Wi-Fi中継器を導入すべきかどうか、導入する場合、どんな中継器を購入すればいいかがわかります。

1Wi-Fi(ワイファイ)中継器とは?何のために使うもの?

まずはWi-Fi中継器とは何なのか、できること・できないことにはどんなことがあるのか紹介します。

Wi-Fi中継器とは

Wi-Fi中継器とは、簡単に言うとWi-Fiの電波を強化するための機器です。

Wi-Fi電波は、家の中で強弱があります。
Wi-Fiルーターから離れれば離れるほど電波は弱まるため、たとえばルーターから離れた部屋ではWebサイトの読み込みが遅かったり、動画が途中で止まったり、スマホの向きによってつながりにくかったりするなどの不便を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
Wi-Fi中継器は、電波が弱い場所でもインターネットにつながりやすくする効果があるため、こんなときに便利です。

Wi-Fi中継器は、Wi-Fiルーターとスマホやパソコンの間に設置するのが一般的です。
Wi-Fiルーターからの電波が弱くなる前に、一度中継器で電波をキャッチし、再発信することでWi-Fiを利用できる範囲を拡大します。

Wi-FiルーターとWi-Fi中継器の違いについても整理しておきましょう。

Wi-Fi ルーターは、自宅に引き込まれた回線を利用して自宅内に無線環境をつくり、複数台の端末でインターネットを利用するために必須の機器です。
一方、Wi-Fi中継器は、Wi-Fiルーターでつくった無線環境で電波が届きにくい部屋や場所が出てきてしまった際に、そのような部屋や場所でもインターネットを使いやすくするために使う機器です。

Wi-Fi中継器は、必ず親機であるWi-Fiルーターとセットで使います。
単体では使えないので注意しましょう。

Wi-Fi中継器ができること・できないこと

Wi-Fi中継器は自宅内のWi-Fi電波が届きにくい場所にも電波を届かせて、Wi-Fiを快適に使用できる範囲を拡大するため、つながりにくさ等を解消する効果はあります。
ですが、Wi-Fi中継器さえ設置すれば、どんなWi-Fi環境の悩みも解決されるわけではない点に注意が必要です。

Wi-Fi中継器は、親機であるWi-Fiルーターのパワー不足を解消できるわけではありません。

家庭内で「つながりにくい」理由が電波の届く範囲の問題ではなく、複数の端末を親機につなぎすぎて家庭内でネット状況が混み合っているためである場合などは、つながりにくさの改善はできません。

この場合は親機であるWi-Fiルーターを買い換えて性能をアップさせたほうがスマホの複数台接続も安定して、通信が快適になることがあります。

このあとWi-Fi中継器が必要な場合についても説明しますので、ご自身のネット環境が中継器で改善しそうかどうか、考えながら読み進めてください。

2Wi-Fi中継器が必要な場合とは?

Wi-Fi中継器が必要なのはどんな場合なのか、Wi-Fiがつながりにくい、家の中でありがちな状況を説明します。

障壁があるとWi-Fi電波は通れない

Wi-Fiの電波は、親機であるWi-Fiルーターから放射状に放出されていて、Wi-Fiルーターに近いほど電波は強く、遠く離れるほど弱くなりますが、壁や扉・家具など電波を遮るものがあると電波が通りにくかったり、通れなかったりします。
このため電波を遮るものがあると、それに反射したり、回り込んだりしながら電波が弱くなってしまうのです。

Wi-Fiの電波は、見通しが良いところなら100メートル程度届くと言われていますが、家の中では障害物が多いため、実際はその5分の1程度にしか届かないと言われています。

具体的にどんなときに特に電波が届きにくくなるのか、主なケースを紹介します。

家の材質・構造

一般的に、木造の家よりも鉄筋や鉄骨造りの家の場合に電波が届きにくくなります。
これは、

  • 家具
  • 電化製品

など家にある電波を遮る可能性のあるもののうち、材質によって電波の通りにくさが違うからです。

木材や石膏ボード、ガラスなどでできているものの場合は比較的電波が通りやすく、鉄筋コンクリートや金属、石材などでできているものの場合は電波が通りにくかったり、反射してしまったりする傾向があります。

壁が厚い・壁が何枚もある・扉を閉める部屋

たとえ材質が比較的電波を通しやすい木であっても、「壁」そのものが障害物になるため、

  • 壁が厚い部屋
  • 壁が何枚もある
  • 四方を壁で囲まれた部屋
  • 扉を閉める部屋

などは、電波が届きにくくなります。

たとえば、トイレの個室や寝室、書斎、浴室などです。
浴室は密閉性が高いうえ、ユニットバスの壁材に金属パネルが使用されている場合があるため特に電波が届きにくく、通しにくくなります。
浴室でWi-Fiを使いたい場合だけでなく、浴室をはさんだ間取りでWi-Fiを使いたい場合にも障害になることがあります。

親機ルーターから遠い部屋・家が広い

マンションは縦長の間取りが多いため、たとえば南側のリビングダイニングにWi-Fiルーターを設置した場合、北側の寝室に電波が届きにくいというケースも。

家が広いのでWi-Fiルーターからの距離が遠くなり、しかも間にある部屋の壁や扉が電波を弱める原因になってしまいます。

2階建て・3階建てなど複数階建て

複数階建ての場合、階と階の間の床が障壁になるため、Wi-Fiルーターの親機がない階の部屋には電波が届きにくいケースがあります。

特にWi-Fiルーターの親機がある部屋とは逆側にある違う階の部屋の場合、物理的距離も離れるためより届きにくくなります。
Wi-Fiルーターの真下や真上の部屋であれば、違う階でもまだ電波が届きやすくなります。

電波を遮るものが間にある

家のつくりや間取りだけでなく、電波を遮るものが置いてある位置によってもつながりにくくなる場合があります。

電波を遮る代表的な障害物の例が、冷蔵庫です。
冷蔵庫は断熱効果を高めるために金属製の壁でつくられているため、電波を遮断しやすくなっています。
リビングにWi-Fiルーターが設置してある場合、冷蔵庫が電波を遮るため、すぐそばのキッチンでインターネットがつながりにくいというケースもあります。

またリビングにWi-Fiルーターを設置している家では、配線類をうまく隠すため、Wi-Fiルーターをテレビの背面の壁に設置したり、キャビネットの中に入れてしまったりしているようなケースもあるでしょう。
このような場合にも、テレビやキャビネットの扉が間にあることが遠くの部屋まで電波が届きにくい原因になっていることがあります。

湿気を含むものがある

電波には、水に吸収されやすいという特性があります。
このため、湿気を含むものがあると、離れた部屋までWi-Fiの電波が強く届かなくなってしまうことがあります。

たとえば水槽や花瓶など、水が入ったものがある場合は要注意です。
水そのものでなくても、本や土壁など水分を吸収しやすいものがあることで、電波が弱まってしまう原因になることがあります。

電波を出す機器が多い

障壁の他にWi-Fi電波が苦手とするものが、Wi-Fi以外の他の電波です。
近隣や自宅内のさまざまな電波によって、本来よりもWi-Fi電波が家のすみずみまで届きにくくなっているケースがあります。

他のWi-Fiルーター

近所の人が使っている他のWi-Fiルーターによって電波が混雑していると、宅内でWi-Fiの電波がつながりにくくなったり、不安定になったりします。
自分のWi-Fiルーターから放出される電波が、他の電波と干渉して弱まってしまうためです。

特に、昔から多くのWi-Fiルーターで使用されている2.4GHzという周波数帯は、大変混雑しています。
周波数帯については、このあと中継器の選び方の説明のなかで解説します。

Wi-Fiルーター以外の機器

電子レンジやコードレス電話機といった電波を出す機器や、Bluetooth(ブルートゥース)が搭載されている PCやスマホ、オーディオ機器などが多いと、電波同士の干渉が起きて、Wi-Fiの電波が弱まります。

このため、家の中で電波のつながらない場所や、つながりにくい場所ができやすくなります。

3Wi-Fi電波を中継する仕組みと中継器のメリット・デメリット

中継器を導入する前に、Wi-Fi電波を中継する仕組みとメリット、デメリットについて、確認しておきましょう。

中継の仕組み

Wi-Fi中継器を設置した場合、Wi-Fi電波は以下のような仕組みで中継されます。

<中継の仕組み>
回線終端装置(ONU)

無線LANルーター(=無線アクセスポイント+ルーター)

Wi-Fi中継器

パソコン・スマートフォン・タブレット・ゲーム機などの端末

中継器を設置した場合、親機である無線LANルーター(Wi-Fiルーター)から飛んできた電波を中継器がキャッチして、パソコン・スマートフォンなどの子機に中継する仕組みになります。

Wi-Fi中継器のメリット

Wi-Fiルーターから距離がある部屋でも、インターネットにつながりやすくできます。
既存のWi-Fiルーターを使用したまま手軽に設置でき、2,000~7,000円程度と比較的安価です。
性能の高いルーターに買い替えたりするよりも、費用や手間を削減して快適なインターネット環境にすることができます。

Wi-Fi中継器のデメリット

Wi-Fi中継器は、台数が増えるほどにメインルーターへの負荷が大きくなります。
もともとWi-Fiが届いているエリアでは、中継器を経由させると電波のやり取りが増えてしまい速度が落ちることもあります。
Wi-Fiルーターの電波が十分に減衰していないと、中継器からの電波を受信したほうが都合のいい場所でも、中継器からの受信にうまく切り替わりません。
その場合、手動で切り替えなければならなくなるケースもあり面倒です。

4Wi-Fi中継器の選び方のポイント

Wi-Fi中継器を導入することを決めたら、機器を選定しましょう。
選び方の9つのポイントを解説します。

価格はどのくらいのものがいい?

Wi-Fi中継器の価格は2,000円台~10,000円台までさまざまです。
スペックがあがると価格もあがりますが、最近主流の規格のものでも2,000~3,000円位で入手でき、十分です。

チェックすべき通信規格と最大通信速度

規格によって使用する周波数帯と通信速度が異なります。
最大通信速度は「433+300Mbps」のように表記されており、理論上のものです。

中継器と、親機であるWi-Fiルーター両方の通信規格・最大通信速度をチェックしましょう。

通信規格と最大通信速度が親機の性能以上のもの

中継器の通信規格は、親機のWi-Fiルーターが対応しているものを選びましょう。
親機より性能が劣る中継器だと、設置しても電波状況が改善しないなど、十分に性能を発揮できないことがあります。

親機と同じメーカーのもの

中継器は、同じWi-Fi規格に対応していればメーカーを揃える必要はありません。
規格さえ一致していれば接続はできるため、中継器は好みで選んで大丈夫です。

設置場所に適した形状

Wi-Fi中継器には、

  • コンセントに直挿しするタイプ
  • コードのあるACアダプターで電源を取る据え置き(壁掛け)タイプ

の2つの形状があります。
コンセントから遠い場合はコードのあるACアダプター付きにする、廊下に設置する場合はスッキリ置ける奥行のないタイプにするなど、設置場所に適した形状のものを選びましょう。

デュアルバンド同時接続

無線LANの規格で使われる周波数帯には、

  • 2.4GHz
  • 5GHz

の2つがあります。

 
周波数帯 特徴
2.4GHz 障害物に強いが、電子レンジやBluetoothなどと同じ周波数帯で電波干渉がおこりやすい
5GHz コンクリートの壁などで電波がまわりこみにくく障害物に弱いが、新しく割り当てられた帯域なので他の機器との電波干渉、競合がおきにくい

それぞれの周波数帯に得意不得意があるため、両方の周波数帯で同時に通信を行える「デュアルバンド同時接続」の中継器がおすすめです。

WPSボタンがある

WPSボタンとは、押すだけで簡単にWi-Fi設定ができるボタンで、設定が不安な人におすすめです。
親機にもボタンがあることが必要なので、親機が対応しているかチェックする必要があります。

有線LANポートがある

有線LANポートがある中継器もあります。
Wi-Fiに対応していないテレビやゲーム機に有線LANを挿したいけれど、親機が遠い場合、LANポートがある中継器を選んで有線接続すれば、親機から離れた場所でもインターネットに接続できます。

実は親機を中継器にもできる!

親機であるWi-Fiルーターには、

  • RTモード(ルーターモード)
  • APモード(アクセスポイントモード)

の2つのモードで使えるものもあります。
このタイプなら、スイッチでAPモードに切り替えるだけで中継器として使用できるようになります。
使っていないルーターがある人や、ルーターも新しく買い替えたい人は、中継器として再活用するのもおすすめです。

5おすすめのWi-Fi中継器は

自宅にWi-Fi中継器を設置したいと考えている方に向けて、中継器のおすすめメーカーを紹介します。

BUFFALO(バッファロー)

BUFFALO(バッファロー)は愛知県名古屋市に本社を置く、パソコン周辺機器の有名メーカーです。
無線LANの分野に強いメーカーで、機能性に優れたモデルから比較的安いモデルまで幅広く取り扱っており、初めて中継器を使用する人にもおすすめのメーカーです。

おすすめ機種は「WEX-733DHP」です。
デュアルバンド同時接続対応で、WPSボタンもついています。

NEC(エヌイーシー)

NEC(エヌイーシー)日本電気は、LAVIEブランドで展開しているパソコンも有名な総合家電メーカーです。
Wi-Fi中継器はWi-Fiルーターなどとともに「Aterm」というブランド名で展開されています。

おすすめ機種は、「Aterm W200EX-MS」

  • 人を感知すると照明がつくセンサー搭載
  • 端末ごとにWi-Fi接続可能な時間帯を設定できる「こども安心ネットタイマー」機能

など、特徴的な機能が豊富です。

ELECOM(エレコム)

ELECOM(エレコム)は、パソコンラックの製造販売から創業し、今ではマウスなどパソコン周辺機器からメモリ、イヤホンなどさまざまな製品を販売しているIT機器大手です。

中継器ではコンパクトでシンプルなデザインの製品が多く、部屋のインテリアにもなじみます。

おすすめ機種は「WRC-300FEBK-R」です。
手のひらほどのコンパクトなサイズで、

  • マンション1部屋分
  • 戸建てなら1フロアー分

Wi-Fi電波の範囲を広げます。

TP-Link(ティーピーリンク)

TP-Link(ティーピーリンク)は、中国深圳に本社を置き、世界42カ国に直営子会社や支社を展開するコンピューター周辺機器メーカーです。
コストパフォーマンスに優れた商品が多く、手軽に導入できます。

おすすめ機種は「RE200 V5」です。
WPSボタンがついており、本体のLEDで電波感度の強さを教えてくれるので、設置場所に迷いません。

6Wi-Fi中継器を設置して快適なWi-Fi環境をつくろう

Wi-Fi中継器は、自宅でWi-Fiの電波が届かない場所がある場合に、設置することでつながりやすくしてくれる効果があります。
家のすみずみで快適にインターネットを使いたいなら、ぜひ設置してみてはいかがでしょうか。

現在のWi-Fi環境に簡単に追加できて、比較的お財布にも優しい価格です。
親機であるWi-Fiルーターの通信規格や最大通信速度に気を付けながら、必要な機能を持った1台を選びましょう。

中継器を設置して、おうちで快適にインターネットを楽しんでください。

※公開日時点の情報のため、お申込みの際は実際のお申込みページの情報をご確認ください。

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この記事の監修者

野口 圭一

GMOインターネットグループ株式会社
とくとくBB事業部所属

プロバイダーサービス「GMOとくとくBB」事業責任者/ネット回線の専門家

10年以上にわたりGMOとくとくBBで販売しているインターネット回線全般のマーケティングに携わっており、モバイルWi-Fiから光回線・固定電話回線まで取り扱っているため、通信業界の幅広い知見がある。

現在はGMOとくとくBBの事業責任者をしながら、インターネット回線のスペシャリストとして当サイト「Smafi(スマフィ)や回線系WEBメディア「とくとくBB通信」などさまざまな媒体の監修で活躍中。